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手記

<生きる力> 家族の力
 ALS。この病気になった本人も、まだ理解が出来ていない。月に行って、カップラーメンを食べる世の中に、解明出来ない病気がまだ沢山あります。
 ALSという病気は、筋肉を破壊し、身体の自由をうばい、二つに一つの選択に追い詰められ悩む。そのうちの一つが、人工呼吸器を装着するかどうかの選択だ。
 それは生きる為の勇気と家族の力。支え、思い遣りの気持ちが無いと介護は長くつづかない。家内に「此処に居るだけでいいの」「父親の存在が有るの」「子供達にもこれからやる事沢山残って居るよ」と言われ、又生きる力をもらい、のんびりしていられない。
 「まだ子供に教える事沢山残っている」、そう想うと生きる力がわいてくる。これが喜びに変わり生きる力になるのだ。家族の絆、介護に力になって下さる人達の力が有って、今の自分がある。
 生きる楽しさ、苦しさ、難しさを、これからどのように「生きて行く力」に変え、周りに居る人達を安心させていくか。いつも心が和み笑いが耐えない家族、そして、私を支えて下さる皆さん、沢山会話をして、やまいを忘れ、命有る限り戦い続け、持っている力を最大限に出し皆様に喜んでもらい、安心してもらい、力をだして行きます。
平成18年3月30日(木曜日)石川佳克

<悩むのあたりまえ!>
 頭で考える事は一番簡単で、自分では出来ない事ばかり。「死にたいよー」「嘘つけ、手足がまともに使えない自分に何が出来る」。ただ、今想う事は、後を振り返って、遣り残した事や、楽しかった事しか頭に浮かばないよ。もう前には進めないと想うから、「家族に迷惑をおかけたく無い」という気持ちばっか先走る。
 そんな想いから、言ってはいけない事を文字にしてしまう、俺も家族に同じようなメールを送ったら、そく全員から突き上げられたよ、「なぜそんな事を言うのだよ」「親父だろ、まだまだ俺達に教える事が沢山残ってるのだよ」「家の柱が無くなったどうするんだよ」「居るだけで存在価値が有るのだよ」と、いわれた時とても嬉しかったよ。「親父」を忘れかけたとこだったよ。「怒れる俺がまだいるのだ」と想い、嬉しいです。俺だっていまだに悩んでいるよ。やがて時間が忘れさせてくれるよ!
石川佳克

<ALS>
 平成12年に、左腕の握力が無くなり、腕が上に上がらなくなった。
 四十肩かなと思い、シップなどはって様子を見たが、良くならず、神経外科に行き、みてもらい、その結果、「首の骨の5、6番が少しずれてる」と診断され、それから毎日首の牽引を4ヶ月やりましたが、ひとつも良くなりません。しかたなく神経内科に行きました。 
 しかし、そこでも病気の原因がわかりません。紹介状を書いてもらい、次の病院にいきました。そこも駄目。結局、十数か所の病院を廻りました。最後に市立病院に1ヶ月入院して検査の毎日。つらかった。そのけっか、ALSの告知をされた。
 余命1年。「ただし、人口呼吸器をつければ少しは」と言われた。医師は「何年」とはいわない。「絶対に治らない病気になぜ俺が?」。考えてる余裕も無く、進行が早く、手も足も動きません。筋肉の役割、偉大さを、今、わかりましたよ。いま動く所は顔だけ。そのうち動かなく日が来る、ただそれをたえて、我慢して言葉もしゃべれず、何も訴える事も出来ず、旅立って行くのだよ。もっとALSの事を知って欲しい。
石川佳克

<我が家の療養生活と人工呼吸器をつけてからの自分>
 今日ここに来る日を何ヶ月も前から楽しみにしていました。
 今日は病院から看護師さんたちに見送られ励まされ、岩村先生に御同行願い、この会に参加できました。私の周りに居る看護学校の小林先生始め生徒さんたちに助けられここにいることができます。皆さんに感謝します。ところでわたしは、松戸に住む石川佳克と申します。よろしくお願いします。
 わたしは呼吸器をつけてから1年と8ヶ月です。あっという間の月日でした。何をどうしようか、どうしたらいいか考える暇もなく毎日をイライラ過ごしてきました。そんな時家内が、「苦しいのはお父さんだけではないのよ、夫婦で乗り越えなければ先には進めないのよ」と、いわれた時、少し気持ちが楽になりました。だが、毎日、山あり谷ありの気持ちの変化です。ふとそんな時、「同じALSの家族の人たちは何をして過ごしているのかなー」といつも思い日々過ごしています。今日ここに来たのも、「いろいろな家族の方々とお話ができたら嬉しい」と思い、参加させてもらいました。
 自分自身のいくつかのエピソードを聞いてください。
 なぜ自分が意味のわからないALSという病気になったのか、いまだに理解できずにいます。病気の進行が早くて考える暇もありませんでした。あっという間に寝たきりとなり、天井だけを見る毎日が始まり、考えごとはくだらないことばかり、「やっと子どもたちもひとり立ちしてこれから夫婦で楽しく過ごすかな」と思ったときに悲劇が起きた。
 そんなときに川上さんにお会いしました。「今から新たなお友達をたくさん作りなさいよ」といわれ、色々アドバイスを頂き、少しだけやる気と元気が出ました。上を見ればきりがない、下を見ればきりがない、今は自分で出来ること探しの毎日。何をして楽しみたいか探しの日々です。「もう自分自身では何もできない」ことが、はっきりと自覚ができたので、周りに居る人たちに助けていただくしかないこともよくわかりました。
 でも、助けてもらうことばかりでは、人間は進歩がなくなり駄目になりそう、特に私自身が・・・。だから、何かわたしにできることがありましたら遠慮なくいってください。お待ちしています。よろしくお願いします。
 最後に私事で申し訳ありませんが、わたしは多年にわたり、小学生低学年から高学年まで剣道を指導してきました。礼儀、誠心鍛錬を指導してきました。今でも町で子どもたちに会うときちんとあいさつをしてくれる、気持ちが良いですね。自然に笑顔になれますね。笑顔の裏には幸福がありますよ。だから患者の皆さん、きさくに笑って何でも話せる千葉県支部にしていこうと思います。皆さん辛いですが頑張っていきましょう。千葉県支部ラブ&ピース。ありがとうございました。
平成17年11月19日 石川佳克
(ALS協会千葉県支部総会講演)

<なみだ>
 嬉しい涙、悲しい涙、悔しい涙、涙にもいろいろがある。俺の涙は枯れてもう出ない。それも、現代医学ではなおらないALSと病気になってしまったから。今は自分で呼吸はできないの。人工呼吸器を付けて生きているの。サイボーグだね。機械が止まれば、俺は今まであった楽しいことや辛いことを全て消されてしまう。悲しいです。
 まだまだやりたい事が沢山あります。若い人が簡単に命をすてる。そんな勇気があったら俺に分けてくれよ。
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